結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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832: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:55:39.30 ID:7SptLiMdo

 
 一方通行と結標淡希はファミリーサイドの二号棟のエントランスにいた。
 あれから一日経ち、二人は自宅療養ということで退院となった。
 退院時間は午後の三時だったが、いろいろあって出るのが遅れ、ここに辿り着いたのが午後五時過ぎとなっていた。
 
 一方通行がカードキーをエントランスにあるパネルへかざす。
 ピーガチャン、という音と共にロックが解除される。
 家は一三階の部屋のため、二人はエレベーター前へと向かって歩いていく。
 結標がキョロキョロと周りを見回しながら言う。


結標「――へー、私ってこんないいマンションに住んでいたのねえ」

一方通行「つっても居候だけどな」


 一方通行は不機嫌そうにそう答えた。
 

結標「貴方はせっかく退院できたっていうのに、何でそんなに不機嫌そうな顔をしているのかしら?」

一方通行「俺の顔は元からこンなだよ」


 結標は少年の顔をじっと見てから、
 
 
結標「……たしかにそうよね」

一方通行「オイ」

結標「冗談よ。そもそも私はいつもの貴方の顔なんて知らないのだから、そんなこと言われても困るのよね」

一方通行「そォいや、そォだったな」


 一方通行は面倒臭そうに頭を掻いた。
 エレベーターの前にたどり着き、一方通行は上の矢印が表示されたボタンを押してエレベーターを呼ぶ。
 ウイーン、と中で駆動音がかすかに聞こえてくる。
  

結標「で、結局その表情の意味はなんなのよ?」

一方通行「これから面倒なことが起こンだろォなァ、って思ったら自然とな」

結標「どういうこと?」

一方通行「これだ」


 一方通行は携帯端末の画面を突き付ける。
 なになに、と結標はその画面をまじまじと見た。
 あるメッセージが書かれていた。

 『退院したら寄り道せずに、お腹を空かせた状態でまっすぐウチに帰ってくるべし』。
 
 その文章を見て、結標が勘を働かせる。





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