800: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:30:36.30 ID:7SptLiMdo
土御門「ま、そういうわけだから、ブロックの野望を打ち砕いて計画の流出を未然に防いだ、オレたち『グループ』へ莫大な報酬が入ったわけだ。報酬という形を取ってはいるが要するに口止め料だな。計画を口外するなっていう」
土御門「さらに言うなら、おそらくこの計画は結標を追っていた他の暗部組織も掴んでいたはずだ。連中も同様にそれなりの口止め料はもらっているだろうよ」
たしかにそうだな、と一方通行は思った。
自分程度でも入手できた情報だ。他の暗部組織の者たちが持っていないわけがないだろう。
そんなことを考えている一方通行を見ながら、土御門が続ける。
土御門「それはもちろん、お前たちも一緒だ」
一方通行「俺たち? 俺と結標のことか?」
土御門「そうだ。お前たちもあの計画についていろいろと掴んでいた。だから、お前たちの持っている情報も処分の対象になっている」
一方通行「情報を持っている俺たちが抹消リストに載っているっつゥことかァ? ソイツは愉快で笑える展開だな」
土御門「逆だよ」
土御門は小さく笑う。
土御門「このことは一切口外しないかつ、持っている情報を全て献上する。その条件を飲むことでお前たちにも口止め料が支払われる」
一方通行「……そォいうことか」
一方通行は理解した。
彼の言いたいことが。自分の質問に対する答えが。
一方通行「その口止め料っつゥのが、俺たちが行ったあらゆる悪行の免責、ってことか」
土御門「御名答。お前たちの持っていたデータは全てこちらで引き払っておいた。お前たちは自由の身だよ」
自由の身。そう言われても一方通行は特に実感が湧くことはなかった。
むしろ、彼の性格からしたら、逆に疑念のようなものが湧いてくる。
だから一方通行は目の前の少年を睨みながら、
一方通行「ンなクソ甘めェ言葉ァ吐かれて、ハイハイと信じられるわけねェだろォが」
土御門「…………」
一方通行「俺は知っている。暗部がそンな簡単なモンじゃねェっつゥことをな。あの計画をなかったことにしてェっつゥのはわかるが、それだけで俺たちを手放すことなンざするわけがねェ」
食って掛かるように前のめりになり、
一方通行「例えば、俺の場合は妹達を。結標の場合は少年院に収監されている仲間たちを。ソイツらを人質にして俺らを手中に収めるなンてこと、ヤツらは平然とやってきてもおかしくはねェ」
一方通行「さらに言うなら、結標はその計画になくてはならない重要人物だ。計画のことを知ろうが知らまいがアイツがいなきゃ話にならねェくらいのな」
一方通行「そんなヤツを野放しにしておくなンて選択肢を、あのクソ野郎どもが取るはずがねェンだよ」
土御門はため息を付く。
土御門「ああ、たしかにお前の言う通りだ。現にお前らから人質を取って管理下に置こうとしている強硬派もいた。それは紛れもない事実だ」
一方通行「当たり前だ。それが学園都市のクソッタレな闇っつゥモンだからな」
土御門「だが、それはある人物がその者たちへ圧力を掛けたことにより抑えられている、って話だ」
一方通行「誰だソイツは?」
土御門「統括理事会の中の一人、貝積継敏だ」
一方通行「貝積だと……?」
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