結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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80: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/07/23(金) 23:21:13.92 ID:muhtgmcKo


黄泉川「はいはい、それじゃあテキパキやって、とっとと終わらせるとするじゃん。明日が雛祭りだからあんま時間は残ってないぞ」

芳川「……というか愛穂? そもそもひな祭りをやるなら、あらかじめもっと前に準備しておくのが普通じゃない?」

黄泉川「えっ、そうなの?」

芳川「そうよ。もともと雛人形は春分、ようするにニ月四日から二月中旬までくらい飾り付けるのが一般的よ?」

芳川「遅くとも、三月三日の一週間前には終わらせとかないといけないわけ。つまり、前日に準備だとだいぶ遅れていることになるわ」

黄泉川「はえー、そうなのかー」

結標「詳しいですね芳川さん」

芳川「さっきググった」

一方通行「どォりでスラスラ言葉が出てきたわけだ」

芳川「いや、勘違いしてもらってわ困るわ。私が調べたのは最低ラインだけよ。一般的にいつ飾れば良いのかは最初から知ってたわ」

一方通行「どォだか」

結標「……ところで黄泉川さん。飾る時期を知らなかったとしても、何で今日準備するんですか? もっと前から準備できそうな日あったと思うんですけど」

黄泉川「おっ、いいことを聞いてくれるじゃん。実はこの雛祭りのセットって全部もらいものじゃんよ」

打ち止め「もらいもの? ただでもらったってこと? こんな高そうなものを? ってミサカはミサカは率直な疑問を浮かべてみる」

黄泉川「おう。これはな、もともと第一三学区で私の知り合いが運営してた養護施設にあったものじゃん」

黄泉川「だけど、その養護施設が退っ引きならない事情で閉園してしまってさぁ。それでそこの施設のものを整理しているときに、この雛祭りセットがあってどうしようかって話になってな」

黄泉川「そんでその知り合いに冗談でちょうだい、って言ったら本当にくれたわけじゃんよ。ちなみにそれが昨日の出来事」

芳川「……要するに、貴女はもともと雛祭りなんてやるつもりなかったけど、たまたま昨日雛祭りセットが手に入ったから急遽雛祭りをやることになって今に至る、って言いたいわけね?」

黄泉川「そうそう」

一方通行「そこはリサイクルショップにでも売っとけよ経営者ァ。施設がぶっ潰れて金も必要だろォによ」

黄泉川「いいじゃん別によー、くれるって言ったんだからさあ。それに打ち止めがいるんだから、雛祭りの一つや二つ、やってやらなきゃなー」

打ち止め「おおっー! さすがヨミカワ! ミサカイベント大好きありがとー! ってミサカはミサカは素直にお礼が言えるいい子!」

黄泉川「あと淡希もそうじゃん。記憶喪失だから雛祭りなんてやった記憶ないだろうし」

結標「そうですね。たしかに記憶にはないです。……まあでも、同級生のみんなはこの歳じゃやらないわよー、って言ってたから素直に楽しめるかわかりませんけど」アハハ

芳川「別にいいんじゃない。雛人形を飾るのに年齢制限なんて存在しないわけだし」





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