755: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/08(土) 11:55:25.79 ID:Q+V+Oj11o
土御門「……電話の内容まではわからないが、どうやらお前らの思惑はうまくいかなかったようだな」
土御門は、携帯端末を通路の壁に叩きつけて、息を荒げている佐久を見て、言った。
彼はブロックの二人に暗に『これ以上の抵抗は無駄だ。投降しろ』と言っている。
それは佐久も手塩もよく理解していた。
手塩が佐久の方を向いて、
手塩「……もう潮時だ。佐久」
諦めの言葉を聞いた佐久はギリリと歯を鳴らす。
佐久「ふざけんな手塩ッ!! 俺たちはまだ負けてねえッ!!」
結標「うぐっ……!」
人質を抱えている腕の力が強まり、結標から息が漏れる。
佐久は手に持ったコンバットナイフの刃を少女の首筋に突きつけ、威嚇するように叫ぶ。
佐久「オラオラッ!! 俺たちにはまだこの座標移動がいんだよッ!!」
土御門「無駄だ。そんなことをしても貴様は生き残れない。仮にここから逃げ切れたところで、学園都市から反逆の罪で追われるだけだ。例え、外へ出られたとしてもな」
佐久「それはどうかな?」
白い歯を見せながら土御門を否定する。
佐久「コイツは俺たちトップシークレットの暗部組織全部に回収命令を出すくらい、上層部から価値があると見られている存在だ。コイツを交渉材料に使えば活路はある」
手塩「活路だと? これ以上、何が出来るというのよ?」
率直に疑問に思った手塩が聞く。
佐久「んなモン後から考えりゃいいんだよ!! 今はここを無事出ることだけ考えろ手塩ォ!!」
手塩「馬鹿な……」
手塩の顔が曇る。
リーダーの場当たり的な判断に嫌気が指したのだろう。
そんなことも気にせず佐久はぼやくように続ける。
佐久「大体、あんなに苦労して手に入れたんだからよお、しっかりと有効活用しなきゃ割に合わねえだろうよクソッたれが……!」
一方通行「……苦労、した?」
ずっと無言で佐久を見ていた一方通行が口をはさむ。
まるで何かに引っかかったかのように。
それを聞いた佐久が待ってましたか、とでも言うような笑みを見せる。
土御門「――よせ! これ以上ヤツの言葉を聞くな! 一方通行ッ!」
佐久に気付いた土御門が止める。
しかし、無力にも佐久の言葉が一方通行の耳へと届く。
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