590: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:48:57.65 ID:EQdefISBo
『空間移動中継装置(テレポーテーション)計画』。
この計画は空間移動能力者(テレポーター)の転移能力を機械的に再現し、非能力者でも再現できるようにすることを目的とした計画。
これが実用可能になれば、学園都市内の交通、流通、運送等あらゆる分野での発展が望めるだろう。
(中略)
最終的には、その転移可能範囲を世界へ広げることにより、学園都市外の全ての国を牽制し優位に立てる戦術兵器にもなりえるだろう。
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二〇〇X年三月A日。
予測装置『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』を用いて演算した結果。
ある一定の数値に達した空間移動能力者を素体とし、一定水準のスーパーコンピューターを一〇八台と連結させ、並行演算させることにより以下の性能を発揮する装置が完成する。
・最大重量:四六万五七三○トン。
・最大飛距離:一万九一三〇キロメートル。
(中略)
素体の候補は、現段階で空間移動能力者最高位の位置にいる大能力者(レベル4)の座標移動(ムーブポイント)、結標淡希が適していると判断。
転移の始点が固定されない能力のため、装置として完成したときにはこの点が強みになるだろう。
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二〇〇X年四月A日。
身体検査(システムスキャン)により座標移動の能力をレベル4と判定。
最大重量四五二〇キロ。最大飛距離八〇〇メートル。
現状のスペックでは素体としては不十分だと判定。
座標移動には推定値に達するまでの成長が必要である。
しかし、一年前のシステムスキャン時から見てもまったくの進歩が見られていないことが懸念材料だ。
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二〇〇X年四月B日。
座標移動の成長を阻害する要因が判明。
彼女は二年前のカリキュラムにより自分自身の転移に失敗し、大怪我を負う事故に遭っていた。
以降、それがトラウマとなり自分自身の転移が困難となっている状態である。
(中略)
このトラウマを打ち消すことが、彼女の成長へと繋がるきっかけになることになるだろう。
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二〇〇X年四月C日。
様々な専門家の意見を統括し、座標移動のトラウマを消すためには超能力者(レベル5)第五位。
心理掌握(メンタルアウト)食蜂操祈の手を借りることが適していると断定。
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二〇〇X年五月A日。
心理掌握への三度目のコンタクトを取ったが交渉は決裂。
これ以上の彼女への接触は危険とし、心理掌握の能力によるトラウマ削除の計画は白紙とする。
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二〇〇X年七月二九日。
(中略)
ツリーダイアグラムが正体不明の高熱源体直撃を受け、大破した旨の報告を受ける。
本件に関しての再演算ができなくなったことは痛いが、最初の演算結果を元に計画を続行することを決定。
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