結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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561: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:31:25.81 ID:WGxiRQYAo


 自動販売機で買った缶コーヒーを開け、一口含む。
 少年に、近づく人影達があった。


一方通行「……あン?」

スキルアウト「よお。お前一方通行だろ?」


 気付いたら一方通行は一〇人くらいの男たち囲まれていた。
 彼らの格好を見る限り、健全な学生生活を送っているような者には見えなかった。
 武装無能力集団(スキルアウト)。真っ当な学生というレールから外れた無能力達が集まった武装集団。
 そんな男たちが一方通行の行き先を阻む。


一方通行「人違いだ。人ォ捜してンならアンチスキルかジャッジメントに行け」

スキルアウト「嘘ついてんじゃねえよコラ! わかってんだよこっちはよ!」


 吠える男を見て一方通行は面倒臭そうに頭を掻く。
 一方通行がとある無能力者(レベル0)に敗北してからは、こういう勘違いした馬鹿が絡んでくることはよくあった。
 おそらく今回も同じようなことだろう。そんなことを思いながら左手を首元にある電極のスイッチへと運ぶ。


スキルアウト「ちょっと聞きたいことがあってよ。俺たち人を捜してんだけどな」

一方通行「オマエらの事情なンざ知ったことねェよ。これ以上邪魔しよォなンて考えてンならミンチにして――」

スキルアウト「お前『結標淡希』と知り合いだろ? アイツが今どこにいるかとか教えてくんねえかな?」

一方通行「……は?」


 スイッチを押そうとした手が止まる。
 明らかに無関係だろう人間から、今自分にとって一番優先度の高い名前が出てきたからだ。


スキルアウト「俺らちょっとやばいことになっててよ。どうしてもその女をある『場所』に連れて行かなきゃいけねえんだ」


 この言動から彼らは何者かに脅されて、結標淡希を捜索していることがなんとなく分かる。
 その何者かとは、結標を狙っている者、または組織。
 彼らをたどっていけば、彼女を追っている何かに近付くことができるのではないか。
 ひいては、結標淡希へたどり着くための何かを得ることが出来るのではないか。


一方通行「……喜べオマエら。オマエらにチャンスをやる」

スキルアウト「あ? 何言ってんだテメェ! 質問に答えやがれコラ!」


 真ん中に立っていた男に同調するように周りに居た他の男達も野次をあげる、
 だが一方通行はそれを気にも止めない。


一方通行「オマエらが結標を連れて行かなきゃいけねェっつゥ『場所』を吐きやがれ。そォしたらよォ――」


 白い少年は口元を引き裂いたような笑顔を浮かべた。


一方通行「いつもなら愉快なオブジェになってもらうところを半殺しで勘弁してやるからよォ」


 電極のスイッチが押される。
 この場の全てを支配する、圧倒的なチカラを振るうためのスイッチが。


一方通行「っつゥわけで選べェ。まァ、オマエらにとっては選択肢なンざねェ、優しい優しいサービス問題なンだけどなァ?」


――――――





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