結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
1- 20
538: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/04(土) 23:01:20.72 ID:WGxiRQYAo


上条「お、おい結標。それなんだよ……? もしかして血じゃ――」


 上条が近づこうとした瞬間、結標は腰につけている軍用懐中電灯を抜いた。
 そしてそれを真横に振るう。

 ドスリ。

 上条の左肩に鋭い痛みが走った。


上条「なっ、があっ……!?」


 思わぬ痛みに持っていたレジ袋を地面に落としてしまう。
 中に入っていたものが散乱する。


上条(こ、これってテレポートの……!)


 肩に手を当てる。
 そこには錆びついた五センチくらいの長さの釘が突き刺さっていた。
 それを確認したせいか、さらに痛みが増していくように感じる。


結標「貴方。さっきから私のことを追いかけてきているヤツらの一員ね? 一般市民の知り合いを装って話しかけて来るなんて姑息な手を使うわ」

上条「何言ってんだ、お前……」

結標「何? もしかして本当に一般の人だった? それならごめんなさいね」


 軍用懐中電灯を適当にいじりながら結標は続ける。


結標「でも私は貴方のことなんか一ミリたりとも知らないわけだし、不用意に近付いてきた貴方が悪いってことで許してもらえないかしら?」

上条「知らない、だと? そんなわけねえ、だろ」

結標「事実よ。ま、貴方が無関係な一般人の可能性を考慮して、これ以上の攻撃をするのはやめてあげるわ」


 結標は軍用懐中電灯を再び腰に付けて、上条に背を向ける。


結標「ただし、次私の前に姿を現したときは、私を追う刺客とみなして容赦はしないわ」

上条「ま、まちやが――」

結標「だから気をつけてね。上条君?」


 軽い感じに手を上げ、結標は空気を切る音とともに姿を消した。
 人がいなくなった空間を見つめて、上条は呆然と立ち尽くす。


上条「うそ、だろ? 結標……?」


 少年の問いかけに答える者は、もうここには誰もいない。


―――
――






<<前のレス[*]次のレス[#]>>
841Res/1732.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice