423: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/10/29(金) 22:35:05.35 ID:6X2WJU4Vo
一方通行「…………」
結標「それが、さっきの質問の答えよ」
一方通行「……何言ってンだオマエ? わけがわからねェよ? 支えてあげたい? 守ってあげたい? ふっざけンじゃねェ!!」
結標「ふざけてなんかいないわ」
一方通行「いィやふざけてる!! 俺は大罪人だッ!! 一万人以上の人間を殺したッ!! オマエの記憶も奪ったッ!!」
一方通行「そンな人間がかけられてイイ言葉じゃねェンだよ!! オマエの言った言葉はッ!!」
結標「たしかにそうかもしれないわ。その貴方の言う罪っていうものだけ見ればね」
一方通行「わかってンじゃねェか。だったらよォ、そンな感情は生まれねェはずなンだよ!」
結標「でも貴方は言ったじゃない? 打ち止めちゃんを、妹達のみんなを守るって」
結標「でも貴方はたくさんの思い出をくれたじゃない? 記憶を失ってどうしようもなく不安になっていた私に」
一方通行「それが、どォしたってンだ! そンなことしたからって過去が変わるわけじゃねェ!」
結標「ええ、そうよ。いくら罪を償う為に行動したところで罪自体が消えるわけじゃない。貴方の言いたいこともわかるわ」
結標「けれど、貴方はそれをわかっていてなお、その罪から逃げようとせずに向き合おうとしていたじゃない」
一方通行「何でそンなことがわかる!? 俺が本当に罪と向き合おうとしているかなンて、わかるわけねェだろォが!」
結標「さっき貴方は自分で言ったじゃない。罪から逃げないって、目を背けないって」
一方通行「そンなモン口から出任せ言っているだけかもしれねェだろォが! 何の信憑性もねェ言葉だ!」
結標「私は信じるわ」
一方通行「どォしてそンなことが言えンだ!?」
結標「信じるに決まっているじゃない。だって貴方は」
結標「きちんと私に向かい合って、自分の罪を打ち明けてくれたじゃない」
一方通行「ッ」
結標「私がもし貴方と同じ立場だとしたら、こうやって他人に自分の忌々しい過去を打ち明けるなんてこと簡単にできるとは思えない」
結標「けど貴方はこうやって私に話してくれた。相当な覚悟を持って私の前に立っているんだってわかるわ」
結標「そんなこと、口から出任せを言うような人にはできない、本当に罪と向き合おうとしている人じゃないと、絶対にできないことだと私は思う」
一方通行「…………」
結標「だから私も向き合いたい。貴方が背負っているもの、貴方が抱え込んでいるものと」
一方通行「……やっぱり理解できねェ。何でオマエはそこまでのことが言えるンだ?」
結標「……だって、だって私は――」
結標「私は貴方のことが好きなんだからっ! ずっと貴方の側に居たいと思っているからっ!」
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