結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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208: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/08/27(金) 20:02:25.66 ID:8jcO/JJGo


フレンダ「ま、暗部にいるヤツなんて基本クソ野郎しか居ないから、アンタの言ってることは正しいっちゃ正しい訳よ。でも、そんなクソ野郎な私でも、さっきみたいにたまに思うことがあるのよ」

フレンダ「こういう平凡な日常を過ごす度、楽しむ度、安心する度、何で私は暗部なんかに堕ちたんだろう、ってね」

一方通行「後悔してるっつゥことか」

フレンダ「いや、ところがそうでもないよ。いざお仕事してるときの充実感は、まさしく『生きてる』って感じがして楽しいし、たっかい法外のギャラをもらった時だってやっててよかったって思う訳」

一方通行「で、オマエは一体何が言いてェンだ?」

フレンダ「別にぃ。ただちょっと愚痴りたかっただけよ。アイテムじゃこんなこと絶対に言えないし、アンタみたいなこっちの事情知ってる知り合いいないし。ただそれだけって訳よ」

一方通行「くっだらねェ。そンな愚痴言うくらいならやめちまえ」

フレンダ「あはは、笑えない冗談だね。それがどれだけ難しいことか、知ってて言ってるんだよね?」

一方通行「ああ」

フレンダ「ちっ、暗部ってのは底なし沼みたいなものよ。沈むのは簡単だけど、這い上がろうすることがどれだけ難しいか。難しいどころか不可能と言ってもいいかもしれない」

フレンダ「みんながみんなアンタみたいなラッキーなんて起きる訳ないってこと。わかる?」

一方通行「…………」


フレンダ「ま、ついでに一つ忠告しておくけど。間違ってもまたあの泥沼に足突っ込もうなんて思わないことね。絶対にもうラッキーなんてもの起きやしない訳よ」

フレンダ「今暗部間ではあることが噂になっているの。近いうちに暗部組織で抗争が起こる。下手したら暗部組織一つを残して全て壊滅する、なんてことがあるかもしれない」

フレンダ「そんな状況に軽々しく突っ込んでもみなさいな。今度こそアンタは一生泥沼、もしかしたら死んでしまうかもね♪」


一方通行「……ふわァ」

フレンダ「……えっ、あれ? 何でこの空気であくび? わけわかんない」

一方通行「悪りィ。あまりにもどォでもイイ話だから、つい眠気が」

フレンダ「ふふふ、さすが第一位って訳よ。こんな話を聞いても何一つ取り乱さないなんてね」

一方通行「取り乱すだァ? オマエは大きな勘違いをしてンだよ」

フレンダ「勘違い?」

一方通行「ああ。俺は暗部組織に堕ちよォなンて欠片も思ってねェし、オマエら暗部の連中がどンな馬鹿騒ぎしよォがどォでもイイと思っている。まァだけど一つだけ言えることがある」



一方通行「もし俺の身内に指一本でも触れてみろ。全員まとめて俺が叩き潰すぞ」



フレンダ「……そう、それは残念」

一方通行「残念、だと?」

フレンダ「うん。もしアンタが暗部に堕ちるってなったら、ぜひともアイテムに味方して欲しかったなーとか思ってた訳よ」

フレンダ「そうしたらこれから起きるであろう抗争でも、私の生存率はぐっと上がるしね。ま、麦野はいい顔しなさそうだけど」

一方通行「チッ、自分勝手なヤツだ」

フレンダ「当たり前じゃん。暗部において一番重要なのは自分が生き残ること。他人のことなんて気にするな、それが暗部での鉄則」

一方通行「そォかよ。だったらせいぜい死なねェよォに頑張ってくれ」

フレンダ「ハイハイ頑張りまーす。じゃ、お仕事邪魔したね。また後で」

一方通行「……ああ」





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