結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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145: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/08/13(金) 22:09:34.25 ID:d6Ws/u/Ao


一方通行「……どォいう意味だ?」

食蜂「そのままの意味よぉ。アナタのこの日常はいずれ破綻することは確定しているわぁ。なのに流されるままこの日常に甘んじているアナタは一体、いつまでこれを続けるつもりのかなぁ? っていうコト♪」

一方通行「破綻する、だと?」

食蜂「ふふっ、本当は分かってるクセに、そうやって分からないフリをする。そうやって守っているのよね、アナタ自身を」

食蜂「だったらそんなアナタにきっちり説明してあげるわぁ。アナタの逃げ場をなくしてあげる」

一方通行「…………」

食蜂「まず、その話をするには結標さんの記憶喪失について説明しないとね」

一方通行「アイツの記憶喪失、だと?」


食蜂「そう。そもそも記憶喪失っていうのは三つのパターンがあるのよぉ。一つは元ある人格から記憶が消え去るパターン、まあこれが一番よくあるヤツよねぇ」

食蜂「例を言うならお酒の飲みすぎで昨晩の記憶がない、みたいなのがそうよねぇ。もっともポピュラーな記憶喪失かも」

食蜂「ちなみに、このパターンなら何かしらの刺激が脳に走ったら、もしかしたら記憶が蘇る可能性があるかもしれないわぁ」


一方通行「……二つ目は?」


食蜂「二つ目は記憶が跡形もなく破壊されるパターン。これはそのままの意味よぉ。脳に記憶そのものが跡形もなく消滅していまうのよ」

食蜂「身近な実例が思いつかないから省くけど、この場合は文字通り破壊されたことになるから、どんな刺激があろうと記憶が戻ることは決してないわぁ」

食蜂「これは滅多なことじゃ起きないから、一番珍しいパターンだと思う。ま、私の超能力を使えばそんなのも余裕なんですケドね」


一方通行「オマエそンなことやってンのかよ。趣味の悪りィヤツだ」

食蜂「出来ると言っただけでやったことがあるとは言ってないわよぉ。それに別に命を取るわけじゃないんだから、それくらいいいんじゃないかしらぁ?」

一方通行「人にとっては記憶は命と同価値足りえる場合だってある。やってることは人殺しに等しいぞ」

食蜂「それはアナタには言われたくないんですケドぉ」

一方通行「チッ、そォだったな。で、最後の三つ目は何なンだよ」

食蜂「最後の三つ目、これは結標さんに当てはまる症状よぉ」

一方通行「結標の?」


食蜂「三つ目は元の人格が記憶の奥底に押し込まれて、代わりの人格が意識を乗っ取る、っていうパターンよ」

食蜂「よく聞く事例だと、カッとすると周りが見えなくなって暴れだして、そのあと『自分はいったい何をやったんだ?』みたいな人いるじゃない? あれも一種の記憶喪失ってワケ」

食蜂「結標さんはそのロングバージョンってことになるのかしらぁ? 元の人格が記憶の引き出しの奥底に押し込まれて、代わりに今の人格が結標さんを演じているのよぉ」






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