83:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 16:06:53.99 ID:I9OmqLYR0
顔を上げて信号の向こう側を見る。
降り注ぐ豪雨は更に勢いを増して、ほんの先の一メートル程度も見れない程に強かった。
それでも、それでも。彼には、彼女は笑っているのだろうと。あの頃と変わらない笑顔で優しく笑っているのだと。
彼女に言わせれば、これがテレパシーってやつなのだと。根拠はないけど強く、強く思えた。
そうして彼は、水溜を踏みしめて走って行く。
夏はもう、すぐそこにあった。
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