34:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 00:01:33.11 ID:I9OmqLYR0
グラウンドから吹いた熱い風は放課後のどこか涼しい雰囲気に紛れて、サイズの合わない俺の夏服だとか、
彼女によく似合う白いブラウスだとか、思春期の言いようのない漠然とした不安だとか
そう言うあの頃の俺に見えてた、広くて狭い世界の在り方の全てを通り過ぎて向こう側に消えて行った。
蝉の残響が聞こえる。
グラウンドに陽炎が溶けていく。
季節はどうしようもなく夏だった。
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