【安価・コンマ】「ゼロウス?」【オリジナル超能力ものディストピアSF】
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◆te6Chm3tjE
[saga]
2021/06/27(日) 09:04:15.73 ID:17xUk1t20
夜の9時頃。東京のとあるホテルで、二人の男性が話をしていた。
一人は20代後半で、黒い髪を肩までかけた聡明そうな男である。
穏やかな笑みを浮かべながら分厚い聖書を読んでいるようだが、その姿は高貴な貴族を思わせる風格があり知性が滲み出ている。
もう一人は少し若い20代前半。髪を赤く染めた、粗暴な顔つきの男だ。
風貌が正反対の両者は椅子に座り、向かい合って話をしている。
「宗教に興味があるんですかい?」
「僕は今では神がいないと思っているけれど、興味深くはある。運命の存在は信じているからね」
本をパタンと閉じた男は、朗らかな笑みを浮かべた。
「この前拷問した娘、美人でしたし可哀そうでしたね」
「そう言いつつも悪くない気分だろう、ハマンは。興奮しているのが分かる」
「バレちまいましたか。ゼロは所詮人外ですからね、その身内である時点でこうなるべきっした」
ハマンと呼び掛けられた男は躊躇いなく言い切り、知的そうなもう一人の男は微笑を崩さないままだ。
「一昔前、大物芸能人の娘がゼロになったことがあったよね」
「そんなこともありやしたね」
「その俳優は必死で隠そうとしたけれど、平等な裁きからは逃れることができなかった。ゼロと俳優の処刑は全国で流されて、国民の皆は惨殺に拍手喝采したものさ」
起こった出来事を淡々と喋りながら、男はコーヒーを口の中に流し込んだ。
「いい苦みだね」
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