【安価・コンマ】「ゼロウス?」【オリジナル超能力ものディストピアSF】
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101: ◆te6Chm3tjE[saga]
2021/06/24(木) 23:30:00.78 ID:1xNTGTFs0
「父さんも母さんも優しい人だった。妹は最近彼氏ができて、幸せそうにデートに出かけていったんだ」
「その未来を俺が奪った。俺が、俺があの時死んでいれば……!」
「そうですわね。貴方が自殺していたら、ご家族は助かったかもしれませんわね」
「……!」

他人事のような声に激高した俺は思わずブランカに掴みかかっていた。
しかしブランカは掴みかかられても、俺を見上げて冷酷に言葉を続けようとする。

「おい二人とも……!」
「止めないで下さいまし!」

ロホのなだめる声をピシャリとブランカが遮る。

「ゼロウスを抜けて本格的に反政府組織に入りたいのなら、止めませんわ」
「殆どの男のゼロはわたくしたちのやり方は遠回りすぎる、ヌルすぎるという理由で抜けていきました」
「家族を失っているのです、当然でしょう。自らの手で復讐したいという考えも間違っていません」

見抜かれている。今の俺の内側に燃え盛っているマグマは、間違いなく復讐心に近しいものだ。

「私達の目的が達成されたところで、国そのものは良くなりません。ゼロという存在が生み出されなくなるだけですわ」
「東京のメンバーの中でも家族を失っていないのは、ロサだけです……貴方はどうしますか?」

ブランカはこう言っているのだ。
この出来事で揺らいで復讐を考えるようなら、いずれここを抜けることになるからやめてしまえと。
今まで傲慢なこいつが生き残ってきた理由が分かった気がする。
ブランカの精神は強すぎる。そして他人にまでその強さを求める。
それがブランカの一つのポリシーなのだろう。

「……」


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