【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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767:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/07/13(火) 20:40:51.26 ID:M5vaZgf60
「……で、かいちょーさん。マヤと何を話したいの?」
「ふむ。君は――非常に難しい場所に立っている。このままいけば、君にとっての最終目標――有馬記念では、ナリタブライアンとかちあうことになるだろう」
「……そして、ブライアンさんと今のマヤが戦えば」
「――九割九分九厘。奇跡がない限り勝つことは出来ないだろう」


 わかっていた事実。だが、それを明確に示されてしまうと、悔しさが溢れてくる。

 ナリタブライアンに勝ちたい気持ちに変わりはない。でも、勝てるビジョンも見つかっていない。それはマヤノトップガンにとってとても歯がゆくて、とても悔しい事実だった。


「だが、それは現状の話であって、将来にわたっての話ではない。君のやる気次第では、ナリタブライアンと互角の勝負を繰り広げることもできるかもしれない」
「……やる気次第?」


 その奇妙な言い回しに、マヤノトップガンは違和感を覚えた。

 まるで、やる気を出せば――シンボリルドルフがナリタブライアンに勝つ策を与えてくれる、とでも言っているような――。

 そしてマヤノトップガンは、シンボリルドルフが続けた言葉に、その予想が的中したことを理解した。


「もし君が望むのであれば――僭越ではあるが、私が、君に手ほどきをしてもいい」
「――ッ!」


 それは前代未聞の提案だ。

 ウマ娘にとって、他者に自らが築き上げたノウハウを教えることは、そうない話ではない。トレーニング中のウマ娘たちを観察するのであれば、それなりの割合で見受けられる。

 だが、ことシンボリルドルフにおいてはそうではない。彼女のノウハウは盗み取るのが常であり、彼女が誰かに教えたことは――少なくとも、マヤノトップガンの記憶の記憶の中ではなかった。


「……君たちの運命は、例えるのであれば嵐だ。険しく、ひどく冷たい道のりだ。仮に中央――目に到達できたとて、それは一時の安寧に過ぎない。……理事長もトレーナーも、URAに優勝できればクリアである、と考えているようだが、そうとも限らない」
「……。確かに、そうかも」
「仮にURAの優勝が”目”であるとしたら? そこで立ち止まっていては、また雨風に飲まれることになる。君たちが見据えるべきなのは、嵐本体であり、その先でもある」


 一つ、シンボリルドルフが息をする。
 
 それだけでマヤノトップガンの視線は彼女に釘付けになった。


「櫛風沐雨。苦労することは必至。だが、そこに手伝いがあってはならない――そうは思わないか?」
「思わないし、利用できるものは利用するって――勝つってトレーナーちゃんに誓ったもん。だったら……なんでも、なんでも利用して勝ちあがる……!」
「いい目だ。その目を待っていた――! 用事があるときは……そうだな、ウマスタのDMなり、電話なりをかけるといい。時間を作ろう」

 
 シンボリルドルフはそういうなり立ち上がり、マヤノトップガンに微笑みかける。


「君以外のウマ娘の幸運を祈るように、君の幸運を私は祈っている。どうか君の道のりが、輝かしい未来へつながていますように」


 それだけ言うと、シンボリルドルフは歩み去っていく。その背中に宿る数多の思いにマヤノトップガンは畏怖しつつ――しかし、それが畏怖される理由も明確に理解した。

 だからこそ、彼女の言葉に動かされる。


「いつか絶対……ぜーったい、会長さんを超えてみせるんだから――ッ!」


 そうして、二人の対談は終了した。

 あとには、嵐の後のような静けさだけが、横たわっていた――。


―――

▼行動に[秘密の特訓]が追加されます。

※[秘密の特訓]とは
シンボリルドルフと秘密の特訓を行います。
能力値を上げながら、有用なスキルを獲得できる可能性もある一石二鳥な行動です。
しかし、行うとやる気の減少などにつながる可能性があります。
また、能力値が一定の数値以上になっていないと効果を十全に得られない可能性もあります。
(詳細は選択時に記載します)


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