【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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654:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/07/07(水) 01:57:49.46 ID:gADqbH0Q0
――皐月賞まで、あと2日。


 トレセン学園の緊張感はピークとなり、心なしかウマ娘どうしの会話も減りつつある。普段はそれなりに騒騒しい学園だが、今は……とても静かで、その様子にどこか落ち着かなさを感じる。

 夜ともなると、静寂に拍車がかかる。遠くからグラウンドを駆ける音すら聞こえない、本当に静かな夜だった。

 俺はというと、トレーナー室の机で事務仕事をしながら窓の外を眺めていた。視線の先に何があるというわけではないが、なんとなく景色を眺めていたくなったからだ。

 普段ならこんなことはない。つまり俺も――それなりに皐月賞を目前として浮足立っている、という事だろうか。


「ま、頃合いもいいし、少し休憩するか」


 体を伸ばして、椅子から離れる。来客用のソファに身を沈ませれば、かすかな石鹸の香りがした。

 そういえば、夕方まではマヤノが此処に座っていたんだっけ。道理で匂いが残っているはずだ。

 何というか、もはや安心する匂いになってきた。かつてはその距離感の近さにドキドキしたこともあるが、今となっては慣れてしまった。むしろ最近は近くにいないと少し不足感を覚えるくらいには。

 ……安心したら少し眠くなってきた。仕事はまだまだ残っているが、しかしそれも直近でこなさなければならないものでもない。こうして仕事をしているのはマヤノとの時間を少しでも増やすため。本当はもっと順序立ててやるものだ。

 どうしようか、眠ってしまうか――。

 そう考えた時、ふと扉がノックなしに開かれた。




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