【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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21:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/06/08(火) 21:47:56.84 ID:0Dx5gvhR0
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 その後ウイニングチケットが氷嚢を持ってきたところで、この事態は収束する。
 校舎の柱からこっそりと、ナリタタイシンがこちらを見ていたのだ。
 それをウイニングチケットが驚異的な観察眼で発見。
 紆余曲折合って引っ張り出されたナリタタイシンに聞けば、そのような約束はしてない、と答えた。
 
 やっぱりな、とトレーナーは一人ごちる。
 そもそも意識もはっきりとしていない朝に、何を言われたか覚えている人間の方が少ない。ウマ娘にも違いはないだろう。
 特に小食なナリタタイシンならば、エンジンがかかるのも遅くなるのも道理。色々と不幸な事故が重なって、ウイニングチケットが一人取り残される羽目になったのだ。

―――

トレーナー「意思伝達の重要性が理解できたな」

スペ「……はい」

トレーナー「……スペシャルウィーク、どうした?」

スペ「……なんだか、すごいなぁって」

トレーナー「……」

スペ「チケゾーさんたち先輩もそうだけど、トレーナーさんも。その、しっかりいろんなことを考えているんだな、って」

トレーナー「……遠回しにバカにしてないか?」

スペ「ば、バカにしてないですよ! でも、その……ここ一週間というか……出会いが衝撃的だったから……」

トレーナー「……。まぁ、そうかもしれないが。仮にもスペシャルウィークのトレーナーだからな。君のことであれば、常に考えている」

スペ「……! そう、ですか」

スペ「あの、トレーナーさん」

トレーナー「なんだ?」

スペ「私、もっと強くなりたいです。強くなって……日本一のウマ娘になって、お母ちゃんに勝ったよ! って言いたいです……!」

トレーナー「そうか」

―――

「だから、その……」

 スペシャルウィークは、ふと振り返る。
 夕暮れの空が長い影を作り、まるでトレーナーの影を踏むように、彼女はステップした。
 そして、どこまでも真剣な表情で――一方でワクワクしているようにも見える表情で――、笑う。

「よろしくお願いしますね、トレーナーさんっ!」

 それは、花の弾けるような、笑みだった。

―――



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