【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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20:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/06/08(火) 21:47:15.26 ID:0Dx5gvhR0
トレーナー「……なるほど、ナリタタイシンと特訓の約束をしていたらすっぽかされた、と」

チケゾー「そうなんだよぉーっ! アタシ……アタシ約束じでだのにーーーッ!!!」

スペ「あはは……」

トレーナー(苦笑を浮かべたくなる気持ちは良く解る……けど、世に聞こえるナリタタイシンであっても約束をすっぽかすことはないんじゃないか……?)

トレーナー「ウイニングチケット、君がナリタタイシンと約束をしたのはいつの話だ?」

チケゾー「え……? 今日の朝だけど、トレーナーさんがどうしてそんなこと気にするの?」

トレーナー「なんとなく、ウイニングチケットの悩みに協力してあげようかな、と思って……」

スペ「わ、私も協力しますよ、チケゾーさん!」

チケゾー「本当……? う゛ぁ゛ぁ゛ぁあ゛り゛か゛と゛う゛ーーーーッ!」

トレーナー(さて、とはいえなんとなく背景は察した……)

トレーナー(ナリタタイシンといえば小柄かつ小食で有名だ。体調を万全に整えるにもかなりの気遣いが必要な、繊細なウマ娘……)

トレーナー(ナリタタイシンの出走予定を考えれば、この時期に彼女の調整を行っていることは、まず考えられない。とすれば――彼女の体調は悪いとは言わないまでも万全ではない)

トレーナー(つまり――)

トレーナー「とりあえず、一度校舎に戻ってみよう」

スペ「え? 校舎にですか?」

トレーナー「ああ、なんとなくだけど、校舎に行けば解決しそうな気がするんだ」


―――

 直感に従って動いているのだろうか。スペシャルウィークはふと思う。
 確かにトレーナーは、今まで直情的に動くこともあった。
 出会いなど特にそうだった、と走りながらスペシャルウィークは心中で頷いた。

 それにしても、ちょっときついかも。――そう思った瞬間、スペシャルウィークは自らの不出来に気付いた。

 先頭を走るウイニングチケット……彼女のペースに飲み込まれ、ペース配分を考えればあり得ない速度で走っていたのだ。
 いかに学園内の移動といえど、トレセン学園は通常では考えられないスケールで作成されている。
 当然だが、走って移動する場合はペースを考えなければすぐにばててしまう。
 次第に息が荒くなっていく。
 酸素が不足して白む視界。覚束なくなりそうな足取り。歯を食いしばって、意識を保とうとする。体が重い。脚が軋む。自分の体が、だんだんと自分の制御下を離れていく感覚。

――スペシャルウィークとウイニングチケットが校舎にたどり着くころには、スペシャルウィークのスタミナは尽きてしまっていた。

―――

トレーナー(学内移動に乗り物を使わなきゃいけない学校イズ何……)

トレーナー(……と、あれ? スペシャルウィーク、なんか疲労してる……?)

トレーナー「おーい、大丈夫か?」

スペ「と、とれーなぁ……さん……。すみません……」

トレーナー(ウイニングチケットが近くに居ない。保健室の方が騒がしいところを見ると、氷嚢か何かを取りに行ったんだな)

トレーナー(……なるほど、まんまとペースに乗せられたわけだ)

トレーナー「なんとなく理解したか? これが先輩の力だ」

スペ「……ふぅ。はい、あの爆発的な速度、それを保ち続けるスタミナ。さすがです……!」

トレーナー「……頑張らなきゃな」

スペ「……。はい!」


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