小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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56: ◆bhlju8wMK6[saga]
2021/06/07(月) 22:55:45.13 ID:RHOuKnm+0

小林「え? えっと……」クルッ

トール「ハア、ハア…… よかった、みつけた、ほんとうに、良かった……」ハアハア

トール(ああ…… 私、気付いたら駆け出してた。考えるより先に、嬉しさで体が動いてた)ヘヘ

トール「……小林さん、お怪我は、ありませんか……?」ハアハア

小林「え? あ、うん…… 怪我は、ないけど……」

トール「そうですか、ご無事で、何よりです……」フー

トール(ああ、近くで見てもやっぱり小林さんです。会えて本当に良かった――)



――チクン――



トール(――? 何だろう、胸が……?)

トール「……朝からずっと、探していたんですよ。家にも、職場にもいないから…… あっそうだ! 小林さんは今の状況をどこまでご存知で!?」

小林「え? えっと、その……」ポリポリ

トール「変なんです、皆さん私達の事をすっかり忘れてしまっていて……
    あっ、カンナが何処にいるかは分かりますか!? あの子の事も心配で――」ピクッ

トール「――どうしたんですか、小林さん?」

小林「…………………………」キョロキョロ

トール(――周りを確認する様に泳ぐ目線、ばつが悪そうに頬を掻く仕草)

トール(言葉を探す様に動いている唇、困った様に浮かべた苦笑い――)

トール(どうして、そんな不安そうにしてるんですか、小林さん……?)



――チクン、チクン――



トール(胸がざわめく…… 何だこの既視感、何だこのとても気持ちの悪い感じは……?)ザワッ……

トール「……どうしたんですか、小林さん…… 何か、言ってくださいよ……?」



――チクン、チクン、チクン――



トール(これは――怖れ? 何で、何に……)

小林「……………あの……………」オズ

トール「!」



――チクン、チクン、チクンチクンチクンチクンチクン――





小林「あなたは…… 誰ですか?」

トール「………………………………………………えっ?」





ザァッ……




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