小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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196: ◆bhlju8wMK6[saga]
2023/05/29(月) 23:17:35.31 ID:BsrFHKfa0

トール「今まで行き来できなかった理由がそうだとして……。後は、それならどうして今回は来れたのかですけど……」

小林「それはあれじゃないかな、転移した時の状況。勘だけど」

トール「状況?」

小林「ほら、私と喧嘩して、感情のままに叫びながら空を飛び回ってたって言ってたじゃない」



トール(回想)『――小林さんの顔なんて、もう見たくない!――』



トール(うっ……)ズキッ

トール「……その状況が、強い感情がきっかけだったと?」

小林「うん。強い想いが限界を超えた力を引き出す、ってありがちじゃない?」

滝谷「いわゆるイヤボーン……」ボソッ

エルマ(? 何の呪文だ……?)

小林「本当に並行世界を移動したんだとして、どうして行き先が“この世界”だったのかも、それで説明できると思う」

トール「? と言うと?」

小林「ほら、さっき並行世界は無数に存在し得るって話したでしょ。
   なのに、来れたのがこんなピンポイントにトールちゃんに関連する世界だったって事は、全くの偶然って訳でもなさそうじゃない?」

トール「確かに!」

小林「そうすると、トールちゃんが数多の並行世界の中でも、この世界にやってきた理由は……」

トール「『顔を見たくない』という言葉が何らかの作用をして、
    顔を見ないで済む様に“私と小林さんが出会わなかった並行世界”に飛んできた…… という事ですか」

トール(……あの雨の中考えた、”私が願ったせいでこんな事態になった”という発想も、あながち間違ってはいなかったという事ですかね。
    ちょっと心は複雑ですが……)

ルコア「………………………」

トール「――よし、そういう事なら!」ガバッ

小林「え? 急に立ち上がってどうしたの――」

トール「『小林さんの顔なんて、もう見たくない!』と強く念じて飛んでいたからこの並行世界に来たというなら、
    『小林さんに会いたい!』と強く念じながら飛べば元の世界に戻れるはず、という事ですね!ちょっと試してきます!」スタタッ ガチャッ!

小林「ちょっ! トールちゃん!?」

滝谷「……行っちゃった」




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