小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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◆bhlju8wMK6
[saga]
2023/05/29(月) 23:17:35.31 ID:BsrFHKfa0
トール「今まで行き来できなかった理由がそうだとして……。後は、それならどうして今回は来れたのかですけど……」
小林「それはあれじゃないかな、転移した時の状況。勘だけど」
トール「状況?」
小林「ほら、私と喧嘩して、感情のままに叫びながら空を飛び回ってたって言ってたじゃない」
トール(回想)『――小林さんの顔なんて、もう見たくない!――』
トール(うっ……)ズキッ
トール「……その状況が、強い感情がきっかけだったと?」
小林「うん。強い想いが限界を超えた力を引き出す、ってありがちじゃない?」
滝谷「いわゆるイヤボーン……」ボソッ
エルマ(? 何の呪文だ……?)
小林「本当に並行世界を移動したんだとして、どうして行き先が“この世界”だったのかも、それで説明できると思う」
トール「? と言うと?」
小林「ほら、さっき並行世界は無数に存在し得るって話したでしょ。
なのに、来れたのがこんなピンポイントにトールちゃんに関連する世界だったって事は、全くの偶然って訳でもなさそうじゃない?」
トール「確かに!」
小林「そうすると、トールちゃんが数多の並行世界の中でも、この世界にやってきた理由は……」
トール「『顔を見たくない』という言葉が何らかの作用をして、
顔を見ないで済む様に“私と小林さんが出会わなかった並行世界”に飛んできた…… という事ですか」
トール(……あの雨の中考えた、”私が願ったせいでこんな事態になった”という発想も、あながち間違ってはいなかったという事ですかね。
ちょっと心は複雑ですが……)
ルコア「………………………」
トール「――よし、そういう事なら!」ガバッ
小林「え? 急に立ち上がってどうしたの――」
トール「『小林さんの顔なんて、もう見たくない!』と強く念じて飛んでいたからこの並行世界に来たというなら、
『小林さんに会いたい!』と強く念じながら飛べば元の世界に戻れるはず、という事ですね!ちょっと試してきます!」スタタッ ガチャッ!
小林「ちょっ! トールちゃん!?」
滝谷「……行っちゃった」
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