小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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184: ◆bhlju8wMK6[saga]
2023/03/27(月) 22:34:01.10 ID:Mi2UAr//0

トール「………………っっ………………」フルフル

小林「トールちゃん…… 気をしっかり……っ!」ギュッ

トール「………………ッ!」ギリッ



トール(今までが、夢……? この一年の、小林さん達との思い出が、全て、夢……?)ドッドッ

トール(信じられない、信じたくない、そんなの……っ!)グゥッ

トール(…………でも、そう考えた方が、辻褄が…………)



滝谷「いや〜、その仮説もどうかと思いますけどねぇ?」

トール「…………え?」

ルコア「…………ふぅん?」ピク

トール「滝谷……さん……?」

小林「――滝谷君。頼めるんだね?」

滝谷「――ああ、任せてよ小林さん」ニコニコ

小林「ん、じゃあ頼んだ。――ほら、トールちゃんはお茶飲んで、落ち着いて」サッ

トール「あの、でも……」

小林「だ〜いじょうぶ。(普段はともかく)こういうレスバトルの様な時は彼、ほんとに頼りになるんだから」



ルコア「――どうかと思う、と言うと…… 具体的には?」ニコニコ

滝谷「いくつもありますよ。
   まず、瀕死のトール君が、通り過ぎた小林さんを知覚して『自由に他者と交流したい』と思ったという点ですけど……
   ちょっと無理がないですか?」

滝谷「トール君の話通り、2人が実際に出会い、語らい、お互いを知った結果として『この人と一緒に過ごしてみたい』と思うなら分かりますが、
   ただ通りすがっただけの人間を見ただけで果たしてそんなに交流したいとまで願いますかね?」

ルコア「そこはそれ、ドラゴンの高い推察能力で、話さなくても小林さんのひととなりを察知できた可能性もあるんじゃないかな」

滝谷「便利ですねえドラゴンの高スペック。だけどそもそもシミュレーションなんてしてる余裕あったんですかね?」

ルコア「……ふむ?」

滝谷「世界そのものの精確な脳内シミュレーション一年分、なんて、いくらドラゴンの脳がスパコン並みに凄くとも、
   実行するにはそれなりにエネルギーが必要なはずだ。瀕死の重傷を癒す為に休眠した、にしては妙に余裕ありすぎでしょう」

ルコア「………………」

トール「………………!」

滝谷「それに、一年で傷を癒して目覚めたって言いましたけど……
   トール君を貫いていたっていう神の剣とやらはどうしたんですか? 神の剣という位だ、ただの剣じゃないんでしょ?」

ルコア「……ああ。トール君を貫いた剣は、剣の形をした神の権能の一部。
    魔に属する竜を殺すという概念そのものであり、刺さっている限り竜の命を蝕み続けるだろう」

滝谷「そしてトール君の話では、自力で剣を抜くのは不可能だったと言う。なら、一年放っておけば傷が癒えたというのも疑わしい」

滝谷「そしてよしんばトール君が底力を発揮して、眠っている間に神の剣を自力で抜き、傷を癒したのだとして……
   それなら今朝のトール君は、その山の中で目覚めていないとおかしい筈だ。けど、そうではないんでしょトール君?」チラッ

トール「え…… あっ、はい! 結局昨夜から今朝まで一晩中、私は空を飛び回ってた、はずで……」

滝谷「――だ、そうですが?」

ルコア「――――面白い人だね、君」ニィッ

滝谷「ふふ、よく言われます」ニコッ




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