高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「『あいこカフェ』で」
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24:名無しNIPPER[sage saga]
2021/05/16(日) 14:42:36.49 ID:eE/KPeRw0
 姿見で制服姿を3度見直して、ウィッグと、カラコンも着けちゃえ。口調は藍子の物を真似てひたすらに丁寧に。……うんっ、大丈夫。これくらいなら即興で化けられる。
 フロアに出る1歩目の震えを土踏まずで踏みしめて、まずはキッチンにいる藍子の元へ。目を見開く藍子に手をひらひらと振る。

「私も手伝いますよ、藍子さん」

 ほらどう? どこからどう見てもスタッフさんでしょ?
 じゃあまずは注文を取りに行こう……そうだっ。お客さんがいっぱいいる店内の席より、テラス席の方がバレにくいよね。お客さんからの声が賑やかさに遮られて、注文を求める声に対応しづらくなってるみたいだし、こっちを手伝おう。

「大変お待たせ致しました。ご注文はお決ま――…………!?」

「あ、はい……? えっ、この声……?」

 ……。

 …………待って。えっ……え?

「…………えっ!?」
「えっ、ええ!? ……書いてあったっけ!?」

 テラス席にいたのは少しきっちりめに髪型を整え、最後に見た時よりも縁の細い金色と黄色の合間にベージュを足したメガネをつけた女の子だった。
 いつかの藍子のカフェLIVEと握手会に来てくれて……メッセージカードに導かれて私達のカフェに来てくれた子。
 ちょっとの間だけ時間を共有していたのに、いつの間にか顔を見なくなってしまっていた2人組の片割れの、苦労人担当の女の子だった。


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