狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
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99: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2021/05/27(木) 02:37:10.30 ID:7H4INTzK0
男「…空き巣が入ったんです」
男「いつもは塾の送り迎えでいない時間帯を狙ってたらしくて、鉢合わせしたお父さんとお母さんをそのまま……」
男「病院に運ばれたときはもう手遅れでした。ただ、後で聞いたんですが、もう何時間か早く通報できてたら助かってたかもしれない、と」
男「…僕が、あんなわがままを言い出さなかったら…」
男「僕がくだらない意地張んないでもっと早く帰ってればっ!」
男「……僕が殺したんですよ……何もかも壊して……一人じゃ何もできない弱虫になって……自業自得だ…」
狐娘「……」
狐娘「黙って聞いておれば、難儀な奴じゃな。お主は殺していないではないか」
狐娘「主がすべきなのは親の死を悲しむこと。自らを責めることではない」
男「…あなたに何が――」
狐娘「分かるさ」
狐娘「肉親が殺された経験なら妾の方が遥かに先輩じゃぞ?」
男「あ……すみ、ません……」
狐娘「そして、頭では分かっていても"ここ"が納得しない。違うか?」(胸を軽くノック)
男「………」
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