狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
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98: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2021/05/27(木) 02:36:07.69 ID:7H4INTzK0

男「……その日は、塾の授業日だったんです」

男「僕の親は少しだけ厳しい人で、まだ小学校に入りたての僕は毎日のように塾へ通わされてました」

男「…土曜の、昼授業の日でした。そのとき初めて、塾に行きたくないとぐずったんです…」

男「だってせっかくのお休みですよ?日曜日があるといっても一日だけじゃ短いんです。連休で小旅行に行ったって子もいましたし、僕もただ、遊んで欲しかっただけなんです」

男「ほんのわがままのつもりだったんですけど、そのうち意地になってきちゃって……気付いたら家を飛び出してました…」

男「裸足で、知りもしない建物の陰で座ってました。そうすれば探しにきてくれるかな、なんて考えながら」

男「…結局、いつまで経っても迎えなんて来なくて、疲れちゃった僕は暗くなり始めてやっと家に帰ったんです」

男「……そしたら……」



ーーーーー

男父「」

男母「」

ーーーーー



男「……お父さんも、お母さんも……ち、血だらけで……倒れてて……」

男「…っはぁ……はぁ……!」ドクン、ドクン

狐娘「……」(震える手首を握る)

男「……はぁ……ふ……」



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