狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
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62: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2021/05/20(木) 01:08:14.44 ID:0sLGfUdN0
ーーーカフェーーー
幼馴染「あれ、男は飲み物だけ?」コトッ
男「あんまりお腹空いてなくて」
幼馴染「そりゃあんなに泣いたら涙でお腹も膨れちゃうか」
男「…そこまで大泣きしてはないよ」
幼馴染「鼻、まだ赤いよ」クスッ
男「み、見ないで…」
幼馴染「ふふっ」
男(感動系の映画とか、涙もろいのは否定できないからこうなるのは目に見えてたんだけど…)
男(来てよかった)
男(昨日のお墓参り、姉さんにまた助けてもらったときは正直気が滅入ってた。僕はまだまだ弱いままだ)
男(それでも姉さんはいつも通り接してくれる。それがとてもありがたい)
幼馴染「ね、男はどのシーンが一番印象的だった?」
男「中盤辺りからはもう全部だけど、強いて挙げるなら主人公が初めて駅でヒロインの子に声かけるとこかな」
幼馴染「最初の?」
男「うん。そのときのヒロインの子の表情とか仕草がさ。全部見終わった後考えてると、どんな気持ちであの場に立ってたんだろう…って」
幼馴染「立ってたというより、待ってたんだよね」
男「! そう、それ」
男「幼は?」
幼馴染「私はね――」
男(姉さんとは数え切れないほど遊んできた。他の子と遊んだ覚えがないくらいにはずっと一緒だった気がする。いつもいつもこうして楽しませてくれて、僕もそれに甘えているだけだったけど、昨日の失態で思った)
男(これ以上心配かけないよう、踏み出さないと)
男(僕もこんな風に誰かを元気付けてあげられるような人になれるかな)
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