狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
↓ 1- 覧 板 20
40: ◆YBa9bwlj/c[sage saga]
2021/05/17(月) 23:06:44.17 ID:hG5XWQQ60
ーーー鳥居の無い神社ーーー
ザッザッ
男(相変わらず静かな場所だな)
男「狐娘さん!僕です!」
シーン...
男「?」
男(あれ、いつもなら神社の中から出てきてくれるのに)
男(初めの数日は仏頂面で襖が開くことが多かったけど、ここ最近はそれも和らいだ気がする。というよりなんとなく、自惚れじゃなければ狐娘さんもこの時間を楽しみにしてくれてたり…)
男(たまに眠そうにしてるときは昼寝でもしてるのかな)
男「狐娘さ――」
コツッ
男「あたっ」
男(なに、ドングリ?)
狐娘「こっちじゃ阿呆。お主には目が付いとらんのか」
男「そんなとこに…気付けませんよ、いつも中に居るじゃないですか」
狐娘「妾とて四六時中引き篭もっとるわけではない」
男「何してたんですか?」
狐娘「ちょいとな。木々の声を聴いていたんじゃ」
男「声?」
狐娘「妾は耳が良いからの。こうして自然に耳を傾け、世の動静を把握しておるのよ」
男「へぇー…ってことは僕が来るのもいつも分かってるんですね」
狐娘「まぁの」
男「どういう風に聞こえるんですか?やっぱりこう、精霊の交信みたいな?」
203Res/177.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20