狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
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106: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2021/05/31(月) 20:25:02.37 ID:2pIRRCgF0

狐娘「ならば主の得意分野で勝負してやろうではないか。何でもよい、言うてみ」

男「そう言われるとすぐには……うーん」

男「じゃんけん、とか」

狐娘「……主、あまり妾を笑わせるな、クフッ……腹が痛い」プルプル

男「い、今のはなんでもないです!つい口から出ちゃっただけですから!」

男「…今日、やけに機嫌がいいですね。元気というか生き生きしてるというか…」

狐娘「む?なに、妾も主らのように記憶に価値を持たせようと思うてな」

狐娘「思い出、と言った方が伝わるか?」

男「!」

狐娘「無為に過ごしているうちはなかなか気付かなんだが、思えばここも悪くない場所じゃった」

狐娘「せっかくじゃからの、忘れられぬようなことでもしておきたい」

狐娘(…今日が最後じゃからな)

男「……」

狐娘「ほれどうした、妾はまだまだ満足しておらぬぞ。妾を楽しませるのが主の使命じゃろ?それともご自慢のじゃんけんで盛り上げてくれるのかの」

男(……よし)

男「じゃあ、出掛けませんか?」

狐娘「ほう」

狐娘「趣向を変えて表で、とな。悪くない。池で水浴びでもするか?あそこの水は綺麗に澄んでおる」

男「いえ、町に行きましょう」

男「思い出になることいっぱいできますよ。色んなお店があって、知らないものも、見たことない食べ物もきっと…僕の持ってきたお菓子なんて比じゃないくらい!」

狐娘「……」



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