底辺映画監督唯一の名作 〜そしてそれに連なる窮屈で退屈な続編達〜
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6:名無しNIPPER[saga]
2021/05/03(月) 21:10:12.01 ID:U1gqLcRo0



 黒澤は、大病を患い50を前にして死んだ。

 黒澤の死に顔は、とても満足したものであった。黒澤明に憧れ、映画に、誰かを感動させることに全てを注いだ人生は報われたのだ。黒澤は、その数こそ多くはないが確かに自身の組み立てた物語で人々を感動させ、激怒させ、悲哀に暮れさせることができていた。
 
 黒澤の葬式には、多くの女が訪れた。そして、その女たちの左手薬指には皆一様に金属部品を削って作られた歪な指輪がはめられていた。そう黒澤は知ってしまったのだ。己が誰かを感動させることができる唯一の方法を。


おわり


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