29: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/04/29(木) 04:44:40.80 ID:yj3euRj70
わからないのか、プロデューサーさんは不思議そうな声をあげる。
だから私は自分を指さしてみせた。
「……白坂さんが、どうしましたか?」
「……むぅ」
ここまで言って、ヒントも出したのにどうしてわからないかな?
「あの……どうか怒らないでください」
「……フンだ」
焦るプロデューサーさんの姿がおかしくて、別に怒っていないのにわざと頬を膨らませる。
そんな私のわざとらしい様子に、からかわれていることに気づいたプロデューサーさんがほっと胸をなで下ろした。
……うん。今はまだ、これでいい。
この人には全部言わないと伝わらないんだろう。
でも全部伝えたら、困らせてしまう。
だから伝えるのは、私が大人になってから。
プロデューサーさんはフランケンシュタインと同じで、外見のせいで辛い目にあっている。
そしてフランケンシュタインには、絶望する自分を支えてくれる花嫁がいなかった。
けれどプロデューサーさんには――
――私がいるから。
〜おしまい〜
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