27: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/04/29(木) 04:42:37.77 ID:yj3euRj70
お・ま・け
〜フェスブラン小梅ちゃん奉納SS〜
それは事務所の廊下で移動中のことだった。
「プロデューサーさん……どうしたの?」
「白坂さん……?」
眉間に手を当ててうつむくプロデューサーさんを見かけて、思わず声をかけながら駆け寄った。
私の声に振り向いたプロデューサーさんは、何とも哀愁の漂う表情をしている。
「その……ありふれた話ではあるのですが」
そう前置きをしながら、プロデューサーさんは近くの曲がり角を指さす。
「そこでばったりと……多分事務所に来たばかりのアイドル候補生だったと思います。ぶつかりそうになってしまったので、謝ろうとしたのですが……」
「あ……ああ、うん」
そこから先は聞かなくてもわかっちゃった。
まだ一度もプロデューサーさんを見たことがなかった子が、曲がり角で急に視界に写ったプロデューサーさんに驚いてしまったんだろう。
その子も心配だけど、私にはプロデューサーさんの方が心配だった。
ただ廊下を歩いていただけで、年頃の女の子に怯えられたら……傷つくよね?
「……プロデューサーさん」
「はい」
「頭を下げて」
「……こう、ですか?」
「ううん。もっと、頭をかがめて」
急な私の言葉に不思議そうにしたけれど、それでもプロデューサーさんは素直に頭を下げてくれる。
けどそれは会釈みたいな下げ方でまだ足りなかったから、もっとかがんでもらった。
……うん、これならよし。
「よし、よし」
これなら小さな私でも、大きなプロデューサーさんの頭をなでられるもんね♪
「あの……白坂さん?」
「大丈夫だよ……プロデューサーさんが怖いのは、見た目だけだって……みーんな知ってるから」
「……ありがとうございます」
中腰のまま困った顔をしていたプロデューサーさんだけど、やんわりとだけどほほ笑んでくれた。
……うん、良かった。気分が少し晴れたみたい。
「それにプロデューサーさんは……フランケンシュタインみたいで、カッコいいから」
「……フランケンシュタイン、ですか」
……あれ? 前から思っていたことを言ったら、これは嬉しくなかったみたい。
少し肩が落ちたように見える。
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