25: ◆Kg/mN/l4wC1M
2021/03/19(金) 12:21:48.26 ID:wEzeH4cQ0
◇
私は、ステージの縁に腰かけていた。
照明はまばらにしか点いていない。
目の前の客席にも、ステージの上にも、私以外誰もいない。
辺りは自分の呼吸の音しか聞こえないほど静かだった。
私はそれで、公演が──夢の時間が終わってしまったんだって、実感した。
空っぽの客席を見るたびに、胸の中が、きゅうって締め付けられた。
夢の時間は限られていて、それが終わるたびに切なくて、寂しくなる。
でも、きっと大丈夫。
私がこの劇場に立っている限り、何度でもまた逢える。
私の大切な人たちと、離れたりなんかしない。
──そう、信じられた。
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