【はいふり】亡国のブルーマーメイド
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21: ◆26bEafOrto[saga]
2021/03/01(月) 23:17:25.00 ID:sQLUaSwy0
通された幹部会議室にはもえかとFTGの2人がいた

ましろ「山崎大尉が説明する」

山崎「天草曹長。我々はFTGなどではありません。溝口少佐以全員、ダイスという部署の者です」

天草「ダイス?」

溝口「先任伍長」

溝口が座るように促す

天草「いえ、話を」

溝口「続けて」

山崎「艦内に潜入した特殊工作員を監視し、その計画を未然に防ぐ。そのために我々は乗り込んだのです」

天草「特殊工作員!?この艦の乗員の中にですか!?」

もえか、溝口、山崎、ましろ「………」

天草「誰だかわかっているんですか!?」

山崎「出港間際に急遽発令を受け、乗艦したものがいるはずです」

天草「まさか……」

山崎「如月薫は、ある物を艦内に持ち込んでいます」

天草「何を……?」

山崎「ブルーマーメイドが秘密裏に開発した化学兵器、『グソー』です」

天草「グソー?」

山崎「僅か1リットルで東京は壊滅します」

山崎「昨年の嘉手納基地から辺野古基地への輸送中に奪われました」

天草「あいつに……如月にそんなことができるはずがない!」

山崎「当然、首謀者がいます……」

天草「誰なんです」

山崎「対日工作の指導官だったホ・ヨンファと呼ばれるものです。彼女は少女時代、拘束され、工作員教育を受けました」

山崎「現在ヨンファらは潜水艇で接近し、如月の行動開始と共にこの艦を占拠する計画です。『グソー』の奪還とヨンファの高速を果たすには寄港はできない。……お分かりですか?」

天草「……わかりません。あなた方の…任務がどうあれ、三葉をこのままにはできません」

もえか「先任伍長、三葉の死は事故ではないのだ……」

ましろ「三葉2士だけではない。既に一人のブルーマーメイド隊員が殺されている。その隊員が自身のSNSに乗せた論文だ」

ましろは印刷された論文を手渡す

溝口「ヨンファはこれに目を付けたのです」

天草は受け取ると中を見る

溝口「すべてはそこから始まっている……」


『私は現在、ブルーマーメイドの艦艇を指揮するための訓練を受けている。来年には1艦隊の司令官の職を拝命するが、これまでブルーマーメイドとして働いてなお、国を守ることの本質がわからぬ愚か者である。この国の、国防システムの矛盾をないがしろにし、口を閉ざしてきたことに失望を隠せずにいる。「真の国力」とは国家資産や経済力、軍事力ではなく、その国が培った普遍的な価値観、歴史、文化である。にもかかわらず、我々日本人は日本とは何か、日本人としてなにを誇るのかという問いすら忘れ、「恥」という唯一のイデオロギーも捨て去り、世界に主張できる価値観を失くしてしまった。この国は、国家としての在りようを完全に失っている。日本はもはや、「亡国」と化したのだろうか』

溝口「『国は違っても祖国を憂う気持ちは同じだ』そう言ってヨンファは彼女に近づいたのだろう。一人の日本人として、世界に恥じることなく生きたい。そんな日本人の志に応えたのは皮肉なことに同じ日本人では無かった」

溝口「我々は隊員の監視に入った。だがヨンファに気づかれ、事故に見せかけ、彼女は殺害された。そして、当のヨンファも姿を消した……」

その時、ズドンという爆発音と共に艦が大きく揺れる

天草は艦長室を飛び出した


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