キョン「別に。どうもなってないぜ」涼宮ハルヒ「嘘つき」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2021/02/27(土) 22:09:07.55 ID:72mPFGvRO
涼宮ハルヒにキスされた翌日と言うとなんだか後日談のようだが、では当日がどんな1日だったかと言えば何の変哲もない日常だった。

いつものように登校し、いつものように授業を聞き流し、そして放課後いつものように変人集団がたむろする元文芸部室へと向かう前に、ここ最近日課になりつつある勉強をしていた。

頼みもしないのに俺の専属講師となった涼宮教諭の指導は、時に身も蓋もないことを言われる以外、特に不満はなく、概ね良好だ。

わざわざ作ってくれたハルヒ謹製の問題集を解き、間違ったらシャーペンでチクチク刺されることすらも特筆するに値しない日常である。

そんな穏やかな勉強風景に茶の間が凍るようなおかしなシーンが訪れたのは、ハルヒが出題した図形問題について不明な点があったのでそれについて尋ねている時のことだ。

隣に来て問題の図形を覗き込むハルヒと俺の顔面の距離はかなり接近しており、なんとなく落ち着かない気持ちになっていたことを悟らせまいと平静を装っていたところで事件は起きた。

ぷちゅっと。

頬にこれまで経験したことがない柔らかな感触を覚えた俺が驚いて隣を見ると、まるで鏡のように目を丸くしたハルヒがこちらを向いていて、暫しの沈黙の後、奴はこう呟いた。

「別に。ただなんとなく」

なんとなくってなんだよ、と返すと、ハルヒはそれっきり黙り込み勉強道具を片付けて部活にも行かずにそのまま直帰してしまった。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2021/02/27(土) 22:12:09.53 ID:72mPFGvRO
さて、そのような出来事があった俺の精神状態は到底安定しているとは言い難く、正直昨夜は一睡も出来なかった。ものすごく眠い。

いっそのこと体調不良を理由に学校を休もうかとも思ったが、家に居てもすることがないし、下手に休んで知り合いなんかに見舞いに来られても挨拶に困ってしまう。

ましてや涼宮ハルヒが我が家に乗り込んで来ようものならば、より一層おかしな事態へと発展しかねないと危惧した俺は、素直に登校することに決めた。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2021/02/27(土) 22:13:43.70 ID:72mPFGvRO
「……普通に居るな」

涼宮ハルヒが欠席するとは思えなかったが、いざ真後ろの席に座っている姿を目の当たりにすると、少々気遅れしてしまう。

まるで昨日の夜にキャバクラに行って楽しんできた旦那のような心持ちで席に着く。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/02/27(土) 22:16:27.26 ID:72mPFGvRO
「絶対に押しちゃいけないボタンってあるでしょ? アレと似たようもんよ」

いきなり例え話を持ち出されても通常ならば理解し難いものだが、今の俺ならばわかる。
そして理解すると同時にムカっ腹が立った。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/02/27(土) 22:18:44.10 ID:72mPFGvRO
「今日は勉強は休みにしよう」
「はいこれ。昨夜作った新しい問題集」

放課後、そう切り出すと涼宮ハルヒはその提案を無視して勉強道具を取り出し始めた。
ハルヒ謹製の問題集を渡されると、わざわざ作って貰った負い目もあり、仕方なく俺はそれを解くしかなかった。とにかく集中しよう。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2021/02/27(土) 22:20:43.02 ID:72mPFGvRO
「ハルヒ」
「なによ」
「昨日みたいなことはやめてくれ」

目を見てはっきり言うと、涼宮ハルヒはムッとした顔で睨んできた。なんで怒るんだよ。
以下略 AAS



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