7:名無しNIPPER[saga]
2021/02/27(土) 22:26:12.60 ID:2kLflUvfO
店員のいない本屋から手あたり次第に漫画をかっぱらって、
自室に引きこもって、僕は漫画をひたすら読んだ。
親が飯だと呼ぶとき以外、ほとんど部屋の外にも出なくなった。
そんな生活は長くは続かず、ある日突然電気もつかなくなって、
しかたなく部屋から出てリビングへ向かうと、
背中から白い羽を生やした両親と目が合った。
二人の頭上には蛍光灯みたいな白い輪っかが、
まるで手品みたいにぼんやり浮かんでいた。
父親も母親も、まるでその辺に転がっている石ころでも
眺めるかのような視線で僕を見てから、
ベランダに出て、空へと飛び立って、
やがて遠く離れて、小さくなって見えなくなった。
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