玉座の間にて
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27: ◆CItYBDS.l2[saga]
2021/02/11(木) 09:29:17.67 ID:oNIrsuw50

「それで―――なんだって。つまり奴らは馬鹿だってことか?」

「侮ってはいかんぞ、剣の腕、個の強さに関して、魔物は人間より遥かに上だ。しかし、奴らは集団行動がとれん。魔王も、それがわかっているからこそ奴らを陣形もとらせず城下の大平原にまとめて置いているのだろう」

父の話は、おそらく正しい。だが、本当にそれだけであろうか。
事は最終局面、人類の興亡がかかっているのだ。何もかもが疑わしく思える。もしこれが、所謂『空城の計』だとしたら。城の奥地で火に巻かれ、我らは一網打尽となってしまう。

死ぬのは、怖くはない。だが、魔王と剣を交えることなく死ぬのは何よりも怖い。

「なんじゃ、腰でも抜けたか。臆病者め」


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