15: ◆CItYBDS.l2
2021/02/03(水) 22:33:41.06 ID:MC1F9erq0
首をひねる。それは実に妙な話であった。
戦場に身を置く男衆にしてみれば、剣を抜くなど息をするのに等しき行い。
たかが、剣を抜くことをもってして勇気ある者と称するとは実に奇異ではないか。
「御疑念もっともかと。私も、由来を初めて聞いた時、かつての人類は如何に臆病であったのかと嘆いたほどです」
ふと、悪戯心が湧き上がる。
「称号を与えた我が王家も含めてか?」
見る見るうちに、若き勇者の顔が青ざめる。
「いや、あの」と取り繕う様は、まさに叱られた童のようではないか。
勇者の人となりが見れるかと、思い付きでからかってみたが想像以上に見た目通りの男であった。
52Res/33.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20