土屋亜子「アタシも大好きやで、Pちゃん」
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16: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:37:17.16 ID:ZnT9OyOd0
 アタシたち3人は、お互いが最初の友達で、幼なじみで、ご近所さんやった。
 おない歳の、気の合う、それでいて質の違うアタシたちは、親友と自他共に認める間柄だ。いや、親友を越えて家族にも等しい心情を持っている。

 だが同時にアタシたちは、それぞれの家庭の問題も抱えている。

 アタシは母子家庭であり、家計は苦しく母親は仕事で家を空けることが多い為に家事もほとんどアタシがやっている。高校生になりアルバイトができるようになれば、家事に加えそれによって家計を助ける気満々でいる。

 いずみは病気の弟がおり、その治療でやはり色々と大変であり、転地療養の話もある。加えていずみ本人が成績優秀であるため、補助のある海外留学の誘いがある。補助が受けられれば、いずみの家庭はいずみの弟にかかる諸々の経費が軽減できる。

 さくらは両親の両親、つまり彼女の祖父母達とはなれているため、なるべく会う機会を増やそうと高校生になったらアタシ同様アルバイトで移動費を得るつもりでいる。しかしこの天然無垢な彼女をアタシやいずみが心配なように、さくら本人も自身に果たして世間で働くということができるのかという不安を持っている。

 要するに、進学をして高校生になればアタシたちはバイトや留学でバラバラになってしまうのではないかという漠然とした不安を抱えている。今までのように、いつも一緒ではいられなくなるのではないだろうか……?

 漠然とした不安というものは、時として厳然たる現実よりも始末が悪い。具体的な対処方法や回避案がないのやから。


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