12: ◆hhWakiPNok[saga]
2021/01/31(日) 10:32:38.90 ID:ZnT9OyOd0
その彼が、実際に1ヶ月後にはテニスで全国中学生大会に出場し、全国優勝をしてしまったことにアタシは呆然とした。
いや――実を言うと、いずみやさくらにナイショで全中のテレビ中継を見て、不覚にもアタシはときめいてしまった。
なんや、かっこエエやんか。
準決勝でのピンチ、アタシは思わず声を出して応援をしてた。
お母さんがビックリしてアタシの方を見たため、慌ててテレビを消したけど、後で無事に勝ったことを知り、自分でも不思議なほどホッとした。
そしてPちゃんは、全中から静岡に帰ってくるとその足でアタシの家にやって来た。ユニフォーム姿に、手には優勝のトロフィーを持って。
満面の笑顔に、どういう仕組みなのか歯まで光ってる。
キザやな。
アタシはちょっと笑ってしまった。
しかしやっぱりPちゃんにはデリカシーがないので、その堂々とした、そしてわかりやすい姿での登場に、ウチの周囲には人だかりができてしまってた。
「全中テニスで優勝したP君だってよ」「テレビに出てたあの子よね!?」「無名の新人が無名の公立中から全国優勝って新聞でも見たわ」「学校の成績もすごいんでしょ?」
ウチの前に大勢の人が集まる。
そして同じ団地に住んでいるので、いずみとさくらもやってきた。
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