【咲-Saki-】京太郎「たのしい宮永一家」【微安価】
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233: ◆copBIXhjP6[sage saga]
2021/03/11(木) 09:13:09.93 ID:xzi4dPFd0
ゆみ先輩は不思議な人だ。
インカレが個人主義的な風土を持つ以上、大学の麻雀部で先輩が後輩に指導をするというのはあまりない話である。
強くなりたければ自分で何とかしろ―――実際この三ヶ月でも、洋榎先輩からはちょっとしたアドバイスを受けたことすら指折り数えるくらいのことだった。
だがこの人はそうじゃない。後輩に真正面から向き合って、『先輩らしいこと』をしようとしているのだ。
彼女の右手が数度、慰めるようにキョータローの肩を叩いた。

モモ「本番......来週っすね、東京予選」

淡「ゆみ先輩と洋榎先輩は今年が最後なんだっけ」

ゆみ「そうなるな。来年は卒研と就活でそれどころではないだろうし、これが私の競技麻雀人生最後の大会だよ」

ゆみ「洋榎はきっと平気な顔で本戦準決勝くらいまで上り詰めるんだろうが、私はそうもいかない」

モモ「.........」

京太郎「加治木先輩はプロにはならないんですか?」

ゆみ「『なりたいか』と聞かれれば首を縦に振れるんだがな......多分ならないだろう」

ゆみ「私は所詮凡人だ。洋榎のように天性の才能があるわけでも、ましてや淡のように牌に愛されているわけでもない」

ゆみ「例えそうであっても私なりに戦えるところを見せてやろうと思い、今まで続けてきたが......」

ゆみ「凡人が戦える世界じゃないよ、プロは。それくらい分かってるつもりだ」


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