【咲-Saki-】京太郎「たのしい宮永一家」【微安価】
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127: ◆copBIXhjP6[sage saga]
2021/02/10(水) 04:40:17.79 ID:kMGUxpud0
生徒が三々五々に帰っていった後も、閉会式が終わった会場は誰とも知れない人々で溢れかえっていた。
自動販売機でコーヒーとジュースを買って、喧騒の隅にぽつんと取り残されたベンチに二人腰掛けた。

久「今日はお疲れ様。頭を使った後はちゃんと糖分補給しないとね」

明「ありがとうございます」

久「ねぇ明、決勝はどうしたの?準決勝まで普通に打ってたのに、不調だったってことでもないでしょう」

久「打ち筋も支離滅裂だし、あれじゃあまるで初心者みたいな.........ごめん。ちょっと言い過ぎたかも」

明「ううん、メチャクチャな打ち方だったのは本当のことですから」

久「無自覚ってわけでもないのか。何かあったのよ」

明「......牌が来なくなりました」

明「ツモるのは欲しいのと全然違う牌で、全然思ったとおりに手が進まなくて」

明「こんなこと初めてなんです。それで私、どうすればいいのか........」

これだ。あたかも自分の望んだ牌が来ることは約束されていて、当然の摂理であるかのような表現。
強力なオカルトを持った人間―――牌に愛された子。彼女たちがそれを失った時、得てしてこういった言い方をする。


私には『悪待ち』がある。
三面張より辺張の方がツモれたり、地獄単騎は字牌より中張牌の方が和了れたり、何年も待ち続けてようやくインハイに出場できたり。
いざという時、あえて希望の薄い選択肢を選んだほうが却って成功しやすい......ような気がする。
実際データを見れば正しいことは分かるんだけど、普通に失敗することも多いから体感的には確信できるほどじゃない。
でも麻雀ってそんなもので、結局最後に残るのが運否天賦だからこそ面白いんだ。元々ギャンブルだしね。
もしこの瞬間にオカルトが消えてなくなったとしても、私が雀士として為すべきことは何も変わらないだろう。


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