73:名無しNIPPER[saga]
2021/01/15(金) 21:05:00.37 ID:+gLJjSpd0
桃「どういうことだ? 蝶野教官はなぜあんなに驚いているんだ?」
優花里「2000人以上の船員がいたという大和ですが、その中で士官であった人は全体の5パーセントにも満たなかったといわれています」
優花里「つまり、大和の士官食カレーを食べられた人は日本じゅう……いえ、世界じゅうでも100人程度といったところでしょうか。そんな貴重なカレーを作りだすとは……」
杏「なんというか、もう食べる前からすっごいワクワクするね」
亜美「これは軽い気持ちで食べるわけにはいかないわね! では実食!」パクッ
亜美「!!!」
亜美「なんて上品な味わいかしら! カレーらしい辛さに加えて奥行きのある旨味! それに、スパイスとはまたちがった香ばしさを感じるわ!」
亜美「そしてこの具がまた不意打ち! じゃがいもかと思いきや、リンゴを煮たものだったのね!!」
愛里寿「調理を担当していた烹炊兵(ほうすいへい)だった人の証言によると、大和ではリンゴ入りのカレーが振る舞われていたことと、ピリピリとした辛さがあったことがわかっています」
愛里寿「そして、大和の調理室では艦を動かすための蒸気タービンの熱源を使うことができたということ。なので時間をかけて鶏ガラや野菜などを煮込み、本格的なスープストックをいろんな料理に使っていたそうです」
亜美「そう! そうなの! このカレーには風味の根底に、フランス料理のブイヨンを彷彿させるのよ!!」
愛里寿「そして、ふしぎな香ばしさの正体はよく炒めた小麦粉」
愛里寿「当時の文献によると、カレー粉の分量は現在のものより少なく、それに対して焙煎小麦粉の割合がかなり多かったことが特徴でした」
愛里寿「大和の食事はとても美味であったと評判でしたが、あくまでも大和は有事に備えての軍艦。長い海上生活での健康に配慮されたものであったに違いありません」
102Res/130.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20