【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 11巡目
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824: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2021/05/01(土) 02:34:20.35 ID:4dpztkeC0
――彼は私とは違ってとても愛くるしかった。

元気が良くて、愛想がよくて、いつもにこにこと笑っていて、周りにいつも沢山の人がいて。

妹を少し思い出してしまうような彼は私に対しても笑ってくれて、仲良くしてくれて。一緒に食堂でご飯を食べたり、授業を受けたり、休日に少し買い物に出かけたりなんかしちゃって――そして、そしてそしてそして。

アイナ「……えへへ」

ワイズ「?」

私は――そんな彼と、ワイズと恋人になれてしまった。

こんなにも良い子が私なんかと付き合ってくれているという事実が今でも信じられない。もしかしたらこれは私が今見ている夢なんじゃないか? と思って頬を抓ったこともあるが、間違いなくこれは現実だった。

暗くて陰気臭い私には勿体ないくらい。とても明るくて、嬉しい現実だった。

……本当に、嬉しい現実だった。

ワイズ「どうしたのアイナ?」

アイナ「んーん、べっつにー?」

こてん、と首を傾げる彼の姿にまた頬が緩む。

その勢いでとりあえず小動物みたいな彼の頭をよしよしと撫でる。特に手入れはしていないみたいなのにつやつやで綺麗な薄緑色の髪の毛が気持ちいい。

ワイズ「うわぁ!? も、もうなんだよアイナぁ」

アイナ「ごめんごめん、ワイズが可愛くってつい」

ワイズ「か、可愛いって……!? ぼ、僕は可愛くないんだけど!!」

うーん……可愛い。


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