46:名無しNIPPER[saga]
2021/02/23(火) 22:49:01.76 ID:kzbiwlzT0
カレニーナが機械虫を操り映像を取っている間に、私たちは懸命に安全な脱出ルートを探していた。
すると、しばらく小石をつついていたナナミが飽きたのか、声をかけてきた。
ナナミ「指揮官」
指揮官「どうしたんだ」私は振り返ることもできずに、端末に表示された3Dmapを睨みつけている。
ナナミ「嘘をつくのって、悪いこと?」
指揮官「今聞かれても、まともに答えられないぞ」
ナナミ「いいよ。教えて」
指揮官「言われた側にとっては、悪いことだろうな」
ナナミ「でも、それが分かっていて皆は嘘をつくんだ」
指揮官「隠したいことがあるんだ。罪悪感を飲み込んでも、隠したいことが」
レイヴン隊に嘘をついて退役をすることは、そういうことだ。
私は、【自身が臆病者であることを隠したかっただけかもしれない】と思った。
ナナミ「ふうん」
ナナミ「今なら指揮官の気持ちが、分かる気がする」
ナナミ「わたし、指揮官にずっと嘘をついてた。」
首筋から、足の先まで強力な衝撃が走った。
手足が硬直し、なにもできずそのまま崩れ落ちる。
ナナミ「苦しいよ」
指揮官「あ、が」
ナナミ「わたしは、ただの機械のはずなのに」
ナナミは、ポケットから四角の箱を投げ捨てた。
それは、一種の無線機だった。
そこから、聞こえてきた声は今となっては馴染んでしまったもの。
白ルシア「こんばんは、レイヴン隊」
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