291: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:06:01.95 ID:664efG6d0
ジョセフ「あいつはのォ……良き友であった。付き合った時間は短いが、共に修行に励み、共に戦い、共に怒り、共に笑い……そして、わしは、涙を流した」
静「…………」
ジョセフ「今でも大切な『友』じゃよ。しかし……そうじゃのう。あいつは……『親友』じゃからのう」
292: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:06:35.01 ID:664efG6d0
静「……『しんゆう』……」ズキリ
ジョセフ「口に出して確認したことはないが、全てが終わった今……心からそう思う。どこかに遊びに行ったことも、盃をかわして飲みあったことも、女性の趣味について語ったこともないヤツじゃ」
静「……」
293: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:07:04.64 ID:664efG6d0
ジョセフ「それでも、言葉にしなくとも……伝わるものはある」
静「……」
294: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:07:31.74 ID:664efG6d0
ジョセフ「わしにはの、夢があるんじゃよ。天国に行ったらのー、思いっきりあいつの顔ぶん殴ってやるんじゃ!『カッコつけて去りやがって、バカヤロー!お陰でこっちに来るまでウン十年もかかっちまったわい!』っての……ガハハ!ちょっぴり不謹慎かの〜〜ッ」
静「……」
ジョセフ「……静には、おるのかの?そんな人が……」
295: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:08:00.36 ID:664efG6d0
静「あたしは、メイが『友達』で……」
ジョセフ「…………」
静「なんでかって言うと、メイは『友達』だって、何度も言ってくれて……優しいし、守ってくれるし、本当に良い『友達』……」
296: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:08:32.61 ID:664efG6d0
静「あたしの頭の中に……まるでイカスミパスタのソースが、水の入ったコップの中に飛んだみたいな……ボンヤリした色で……」
ジョセフ「……『姿』が見えるの。そいつは……口が悪くていつもあたしをバカにして、まったくもって優しくなくて、エラソーで……」
ジョセフ「……」
297: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:09:04.11 ID:664efG6d0
静「……いざって時には、守ってくれて……じ、実は……結構やさしくて……さ、さみしがりやで……」
ポロポロ……ポロ……
静「あたし……あたし、なんも出来ない、子供なのに……あたしの力を、信頼してくれる……」
298: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:09:50.21 ID:664efG6d0
静「なんで……忘れてたんだろう」
ポロポロ……
ジョセフ「…………大切な人、なんじゃのう」
299: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:10:37.55 ID:664efG6d0
静「戦うから……戦って、言いに行かないと。一言……たった『一言』だけ……」
ポロポロ……
ジョセフ「……そうか。……なら――……」
300: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:11:14.94 ID:664efG6d0
ジョセフ「――いつまでもメソメソ泣いてんじゃあねーぜっ!おれの娘がよ――ッ!!」
バ ン
静「――!?」
301: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/10(日) 21:11:44.54 ID:664efG6d0
……そこには、年老いたジョセフ・ジョースターの姿は無かった。
筋骨隆々で、若々しく、生命のエネルギーに溢れる……。
全盛期、18歳のジョセフ・ジョースターがそこにいた。
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