256: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:06:35.25 ID:jBOGtbqc0
静「――……森の奥に――……」
257: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:07:34.47 ID:jBOGtbqc0
――……『崖』があった。
そこまで高くない崖だが……落ちたら大怪我では済まないだろう。
その切り立った崖を覗き込むと、少し下に……『花』が咲いていた。
名もない、小さな、綺麗な花だ。……(なんという名前だろう?)……。
258: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:09:24.18 ID:jBOGtbqc0
静「……子供のころの話よ」
メイ「……」
静「綺麗よね、あの花。……とても、綺麗で……おじいちゃんに、あげたかったのよ。……あの花を」
259: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:10:37.15 ID:jBOGtbqc0
メイ(何?……し……『知らない』……)
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
メイ(わたしが共に歩んだ人生に、その『記憶』はない……こ、これは……?)
260: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:11:37.13 ID:jBOGtbqc0
手を伸ばし、静は花を手にした。
黄色い花弁が、凛として美しい花だった。
静「……『花』を採ろうとして、落ちかけたの。……『冒険ごっこ』をしている時」
261: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:12:41.21 ID:jBOGtbqc0
静「その時、落としちゃって……壊したの。……『サングラス』」
メイ「……『サン――』……」ハッ
静「…………」
262: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:13:57.63 ID:jBOGtbqc0
ウェェエン……
エエン……
…………
263: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:15:04.10 ID:jBOGtbqc0
…………
『うえ〜〜ん!ええーん……!』
『どうかしたのかの?……静や……?』
264: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:16:40.97 ID:jBOGtbqc0
『だから、これから先、同じことがあったらのう……もう、壊さないように。しっかり守るんじゃぞ、静や……』
『……うえええええん……』
…………
265: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2021/01/09(土) 22:17:47.86 ID:jBOGtbqc0
静「……その時、おじいちゃんは泣き止まないあたしを見かねて……新しいサングラスをくれた。おじいちゃんのお母さんが愛用していた、サングラスを……」
メイ(こ――『これ』は……この『記憶』はッ!)
静「単純だった子供のころのあたしは、その時すぐに泣き止んだ。……ジョースター家のものをもらって、嬉しかった……ん、だと思う」
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