志保「三麺娘とソバの話」
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20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2020/12/31(木) 22:12:43.38 ID:31ioHmBu0

プロデューサーさんの方を見ると、彼は神妙な面持ちで屋台をジッと見つめ。


「行燈が、消えない蕎麦屋……明かりなし蕎麦」

「えっ?」

「でも、まぁ、最後はお茶を出してくれたって言うし。――志保、ちょっと食べていくか?」

「えっ」

「年越し前の厄落としだ。さっき言ったろ? 蕎麦は悪い縁も切ってくれるってさ」


そうして、ズンズン歩き出した彼に慌ててついて動く。

そりゃ、ご飯を一緒に出来るのは悪くない提案だったけれど……。

私はまだ、プロデューサーさんに答えてもらってないことがある。


「プロデューサーさん、明かりなし蕎麦って何ですか?」


ビニールシートを捲る直前、プロデューサーさんは手を止めた後で、一瞬迷ってから言った。


「大丈夫、饅頭は怖くないぞ」

「落語じゃなくて!」


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