6: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/12/18(金) 21:23:10.12 ID:dICjsRIu0
「早朝のロケなんて珍しいから、可奈が寝坊しないか心配して……なに、その顔」
そんないつもと違う世界を、志保ちゃんと共有していることが、なんだかとても嬉しかった。流石の志保ちゃんでもこの気持ちまでは読み取れなかったみたいで、なんだか可笑しくなってしまう。
「ねぇほら。空がすっごく綺麗だよ志保ちゃん」
不思議そうな顔で私を見た後、くいと目線をあげた志保ちゃんのマスクから、ほうっと白い息が漏れた。
「ね? 綺麗でしょ?」
「そうね。綺麗」
そう思うんならもうちょっと、と思ったけど私が顔を見ていることに気付かないくらい瞳が真っ直ぐだったので、その瞳に免じて許してあげることにした。
「なんだか、異世界に迷い込んだみたいじゃない?」
「なにそれ、百合子さんの影響?」
そうかも。と答えると志保ちゃんはふふっ、と柔らかく笑った。志保ちゃんは結構よく笑う。それが表に出ることが少ないだけ。
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