白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
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79:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:01:36.81 ID:tRJaplXx0
「ここ、荒立ちでは顔を寄せて、内緒話のようにしていましたが……」古澤頼子が囁いた。「ビデオを見たら、もっとそっぽを向いて、肩越しに話す方がいいと思ったんです。ええと、こんな風に」身体を捻る。

「肩越しに、ですか」と返して千夜。頼子に倣って対峙する。
「お、さすが古澤さん」演出家が割って入った。「ボクもそれ言おうと思ってたんだ。うんうん、そっちの方が舞台っぽいよね」
 嘯きに、頼子はくすくすと笑って返す。

 成る程、と思う。立ち稽古と頼子の提案、それぞれの画を想像すると、後者の方がしっくりくるようだ。多く観ているわけではないが、サスペンスものの映画やドラマでは、内密な話ほどかえって顔を寄せたりはしない、ように思う。すれ違い様に重要な物品を取引したり、背中合わせに情報を交換するようなシーンは何度も見る。機能的な側面をいえば周囲の盗み聞きへの警戒や、関係性を匂わせない為の気遣いという描写でもあるのだろうが、《舞台っぽさ》の為にああやっているのだ、というようにいわれれば、それも千夜の腑に落ちる説明だ。



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