白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
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16:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/01(火) 23:04:10.75 ID:6NLLeJ5C0
 その『御伽公演』における最初の仕事は、出演者、演出家、舞台監督、諸々、関係者一同による顔寄せだった。会議室を狭しと埋め尽くす面々は、アイドルだけで十数人、濃い赤、ピンクがかった紫、ピンクに水色のインナーと、髪を見るさえ千差万別だった。折り畳みテーブルも部屋の壁紙も白いのが、それを余計に印象付けた。

 席へ向かう途中カツン、と何か硬い物が靴先に触れ、転がるそれを視界に捉えると、ボールペンだった。その形に覚えがあるようだと感じ、周囲に目を配ると、魔法使いが例の新しいネクタイをひらめかせ、ペコペコ頭を下げて誰がしかと名刺を交換しているのが分かった。あくせく働いているようだ。千夜は素直に感心した。胸の内でなら、ちょっと拍手をしたり労ってやるのは構わなかった。実際には、言葉よりも千夜自身の働きぶりで報いることになるだろう。手を抜かない、というだけのことで、特別なことをするつもりはないが。



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