白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
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149:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:51:53.77 ID:tRJaplXx0
 蟻たちは常に動きながら、歪んだ円のように並んでいる。その歪みは一定のパターンを繰り返して変化しているようだった。
「ここ! ここで、下部の変化が一旦止まるでしょう」
「はい」
「改行中なのだと思います! 私の見立てによれば、これは筆記体による、二つの文字列なのです!
 はい、この手帳をご覧のように、w2l=Ar2c≠繰り返している」
「ふむ」
「ですが、どちらが先で後か、あるいは上か下か、見分けが付かなくて……」
「志希さんは何か?」
「そうです! 《一回ずつでいいよ〜》と。でも、何のことやら」

 都は蟻と手帳、それぞれを見比べながら、指を顎に当てた。千夜も暫く考え込んだ。きっともう手掛かりは揃っている。

 意識が溶けて、街の音が沈み、……


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